* 本ページの内容は2024年度のシラバスに基づきます。
⑧経営リーダーの役割と責任
事業計画の作成とビジネスモデルの構築 (2単位・必修科目)
担当:山根 智之 特任教授
ある組織や企業の中で何かを新規に立ち上げる際、または既存の事業を進化させる際、若しくは個人で新規に今まで存在しなかった事業を立ち上げる際等、「ゼロから考えて実行する」ことはリーダーにとって常日頃から向き合うべきテーマである。実際にその提案が現実となるか否かは、提案内容と組織内外の環境次第ではあるが、何も提案しない限り何も生まれることはない。
そして、それらの提案には、リーダーとして感じる社会的・環境的な問題意識が明示され、どのようにそれらの問題を解決するのか、解決することによって誰が受益するのか、その事業の構造は実現可能か、持続可能か等が論理的に説明されているだけではなく、「なぜ、その課題を解決することが大切なのか」という大義、挑戦心、情熱が聞き手側に伝わるように盛り込まれていることが望ましい。さらには、漠然としたビジョンを示すだけではなく、そのビジョンを実現するに必要なリソース(人・モノ・金・情報)と、そのリソースを獲得・利用する方法論、実現に至るまでの具体的ステップとタイムライン、そして構想実現の過程で想定される障害やその克服の手段等、大きなストーリーに沿っていながらも具体性と持続可能性を念頭に置いた設計があることが求められる。
この科目では、こうした提案策定プロセスを進めるにあたって重要な触媒となる事業計画書の作成に必要な実践的スキルを習得する。人、金、モノ、情報、環境、価値。それらの必要不可欠な要素がどのように相互作用し、一つの変化から波及する意思決定の前提の組み換え、事業計画のピボット(枢軸を変えず、展開を変える)ができるかどうかが、事業計画の実行性評価並びにその後の事業の展開を大きく左右する。
事業計画そのものに「完成形」は存在しない。現実の社会では、想定していた前提や仮説が覆ることは日常茶飯事であり、想定外の競合反応やリスクが勃発することも常である。一旦策定した事業計画書に基づき事業活動をスタートさせたとしても、反証若しくは想定外の事象が発生した際に、いかに大きなビジョンを否定することなく、計画を変更、修正、改善、再開していくには、事業計画書そのものの構造を深く理解していることが求められる。この科目の最大の目的は、参加者が、不確実性の高い現代社会において、時に曖昧になりがちな事業構想やビジョンを単なる夢物語ではなく、実現可能性のある構想に機敏かつ構造的に転換するスキルを身に着けることである。
Future of Capitalism: New Roles and Responsibilities of Businesses and Leaders (2単位・選択)
担当:Prof. Tomo Noda, Prof. George Olcott et a
The future of capitalism will soon be in the hands of the next generation of business leaders, who will want to leave their own imprint on the shaping a new socio-economic system. This is viewed not only an aspirational thought but also as a responsibility. This course is designed to be a catalyst for personal thought and commitment as well as a network building opportunity. The educational journey will be based around a sharing of experiences and reflections with top executives, entrepreneurs, policymakers, activists, and academics of various backgrounds. Professors will facilitate a dialogue between students and those guest speakers.
The course will build on remote, virtual learning technologies, e.g., Zoom, to gather both students and guest speakers.
The Future of Capitalism was initiated by IESE Business School and Shizenkan University, and the first edition was held from January to April 2021 as a joint course among four schools, namely IESE, Shizenkan, School of Inspired Leadership (India) and Fundação Getulio Vargas (Brazil). In our attempt to scale the impact of this course and people involved in as well as to provide a broader platform for students participating, several like-minded schools joined the 2022 edition. The number of schools joining the 2024 edition will be approximately sixteen from around the world.
* この科目は英語のみで実施します。
⑨リーダーに求められる哲学・人格
リーダーとしての生き方 (2単位・必修科目)
担当:野田智義教授
人は自分一人だけで大きな挑戦に挑み続けることはできない。「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け(if you want to go fast, go alone; if you want to go far, go together)」とのアフリカ起源とされる諺にあるように、リーダーは、最終的には、人と組織に責任を持つ経営者リーダーとなる。では、経営リーダーとして生きるとは、どういうことなのだろうか。経営リーダーの目に映る世界とはどんなものだろうか。どんな重圧を感じるのだろうか。経営リーダーに求められる姿勢、資質、さらには人格とは何だろうか。これらの問いに真正面から向き合うことが、この科目の目的である。
身体感覚と内省(ヨーガと瞑想) (1単位・自由科目)
担当:松田 恵美子 特任教授
アメリカ⻄海岸を中心に、仕事への集中力を高めるアプローチとして世界的な注目を集めている「マインドフルネス」。その源流は、古代インドの伝統的な修行法<ヨーガ>にあり、本来の意味は頭と心、さらには身体感覚を繋げ、自然体としての自己を保つことにあります。
本コースでは、ヨーガ・瞑想を通じ、現代の多くの社会人が日々の多忙の中に見失いがちな自己を再確認し、対峙・振り返りを通じた内省の機会を提供する。雑事に振り回されることなく、自然体としての自己を保つ身体感覚を養い、自身の中に内在化することで、周囲や外部に惑わされ、動じることのない自分に近づくことを目指します。
リーダーに求められる心の在り方(坐禅と講話) (1単位・自由科目)
担当:平井 正修 特任教授
東洋において、リーダーに求められる重要な資質の一つは「平常心」であると言われてきた。また、鈴木大拙は仏教における「無心」を英語に訳すにあたって、「チャイルドライクネス(Childlikeness)」という言葉を使っている。このとらわれない心が、多くの重要な意思決定を不確実性と対峙しながら下していくリーダーには求められている。
本科目では、坐禅を通じ、悩み、怒り、恨み、嫉妬心、欲といった煩悩から生じる自身の「我」と向き合い、「平常心・無心」の重要性を理解するとともに、その習得に向けた第一歩を踏み出す。