あなたの「リーダーシップの旅」の出発点
本学が提供する経営学修士プログラム(MBA in Design and Leadership for Societal Innovation)は、変革と創造に取り組む熱意を持つ社会人に、リーダーシップの旅の出発点を提供します。その内容は、至善館の独自の教育哲学とアプローチによって設計された世界にも例を見ないものです。プログラムの特徴としては、以下の7つが挙げられます。
1. リーダーシップの旅を続ける、開拓者精神溢れる挑戦者の育成と支援
至善館では、リーダーシップを、「まだ見ぬ未来を作り出すために自らを駆り立て、行動していくこと」と定義しています。はじめからリーダーである人は存在しません。人は行動を通じて、仲間や支援者を得て、組織や社会に、変革と創造という変化を生み出してゆきます。そして、人はこうした挑戦の結果としてリーダーへと成長してゆくのです。こうした考えのもと、至善館プログラムは、学生ひとりひとりが、開拓者精神溢れる挑戦者として、卒業後も続く「リーダーシップの旅」を歩み続けるための出発点としてデザインされています。
そしてそのために、現実と対峙しながら、まだ見ぬ未来を描く力を涵養すると同時に、変革と創造に取り組むにあたって必要となるプロフェッショナルスキルを磨き、周囲の共感と信頼を得るリーダーシップ能力を向上する機会を提供しています。さらには挑戦を支える仲間やロールモデル、支援者とのネットワークを構築する機会も提供します。


2. 変革と創造を牽引できる経営プロフェッショナルとしてのスキルの習得
至善館が提供するスキル教育は、変革と創造に挑むにあたって必要となるスキルと思考力の開発を狙って設計されています。土台になるのは、伝統的にビジネススクールが得意としてきた「定量的分析手法、論理的・戦略的思考」です。これらは物事を分析し検証するうえで不可欠な力であり、時代や文化を超えて経営プロフェッショナルに求められるものです。次に、事業や地域社会のあるべき姿を、人や社会の潜在ニーズ・ウォンツを起点に構想していく「デザイン思考」。更には、指数関数的で破壊的な科学技術イノベーションと向き合い、過去からの延長線上ではなく、目の前の現実を飛び越えて創造的に未来を構想する「非連続な思考」を取り入れています。ビジネススクールの教育手法に、近年勃興しているデザインスクール、さらにはイノベーションスクールの手法を独自に結合することで、変革と創造を牽引できる経営プロフェショナルとしてのスキルの修得を促します。
3. 企業家・起業家・社会リーダー人材としての視点の開発
ビジネススクールが抱える課題の一つに、教育そして組織の細分化、サイロ化があげられます。経営を構成する諸要素であるアカウンティング、ファイナンス、マーケティング、戦略といった科目が、それぞれに要素分解されたパッチワークの知識とフレームワークとして提供され、残念ながら、それらを包括する経営とのリンクが欠けています。至善館は、企業活動・組織活動の諸機能を絶えず企業家、起業家あるいは社会リーダーの視点で洞察すると同時に、事業・組織・経営の全体像を俯瞰的に捉える経営政策(Business Policy)を教育の中核に捉え直し、包括的で統合されたカリキュラムを提供します。従い、マーケティングやファイナンスといった機能領域の専門家育成を目指す大学院とは明確に一線を画し、至善館は、経営者・起業家・社会リーダー人材の育成に特化しています。


4. リベラルアーツ教育による、リーダーとしての基軸の確立と未来を洞察する視座の獲得
ビジネスに関する知識やスキルは、経営プロフェッショナルとして物事を成し遂げる上で不可欠な力です。しかしそれらは、「どうやって」何かを成し遂げるかのための「手段」であり、「何のために、誰のために、何故」それを成し遂げるのかという「目的」を問うものではありません。目的を問わず手段のみの修得を促す教育には、大きな欠点があると至善館は確信しています。この目的を問うため、至善館では独自のリベラルアーツ教育を提供します。歴史、宗教、哲学、社会学、科学、芸術などのリベラルアーツを大胆にカリキュラムに組み込み、歴史観・世界観・人間観・社会観を問い直し、リーダーに求められる判断・行動・選択の基軸となる価値観の確立を手助けします。また同時に、社会や経済のあり方が大きな転換を迎えている今日においては、リベラルアーツは、経営プロフェッショナルとして世界の現状を理解し、未来を洞察するための基盤ともなります。至善館では、過去から現在、そして未来へと続く時代の潮流と、グローバリゼーションとイノベーションのなかでの世界や社会、そして人間存在の変容を読み解く深い洞察力を、リベラルアーツを通じて涵養します。
5. 社会、他者と向き合い、自身を振り返るなかでの全人格リーダーシップの涵養
至善館は、リーダーシップの原点を、内省を通じた自身の「生きる」目的・意義の確認に置いています。内省は、自分自身との対峙を通じて、自分自身が大切にしているもの、自分自身の「心の声」を確認する作業ですが、社会の中で活動するとともに社会に影響を与える存在である経営プロフェッショナルにとって、内省は単なる自分自身との対峙ではなく、他者との関係性、さらには社会との関係性の振り返りによって初めて意味を見出すものです。従い、内省は、社会の一員としての自分の「生きる」目的・意義を問うことで、単に経営知識、スキルを持つということにとどまらない「全人格」なリーダーとしての成長の基礎となるものです。至善館では、コーチング、アセスメント、心理学を基礎とするワークショップ、経験学習などを通じて、内省を促し、全人格リーダーシップを涵養します。


6. 世界の教育機関やリーダーと連携しての、グローバル教育の実践
至善館は、日本に誕生したグローバルな経営大学院です。スペイン・バルセロナのIESEビジネススクール、インド・デリーに本拠を置くSOIL(School of Inspired Leadership)、ブラジルのFGV(Fundação Getulio Vargas)を中核パートナーに持ち、教員の交換・派遣、教育ワークショップの協働実施、グローバル経営とリーダーシップ教育の未来の共同研究において、組織連携を行っています。また、至善館では、日本中華總商会をはじめアジアに広がる華僑ネットワークとの連携も行っています。その他、至善館の教育理念に賛同する、韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、香港、バングラデシュ、ベルギー、デンマーク、英国、カナダ、ブラジル、ナイジェリア、南アフリカ等、世界中のビジネススクールと共に、資本主義の未来と企業の責任や役割について議論するプラットフォームを運営しており、至善館の学生もそこに参加しています。
7. 日本、アジアの精神土壌を土台とする、経営とリーダーシップのあり方の追求
米国発のB-School教育が世界に広がるなか、ヨーロッパ、アジアの多くのグローバル経営大学院は、アングロアメリカン的な価値観を暗黙の前提として受け入れているのが現状です。これが、MBAが時にMaster of Being Americanと揶揄される所以です。至善館は、日本発・アジア発のグローバル経営大学院として、他と大きく一線を画しています。21世紀はアジアの世紀と言われますが、アジアには、主客非分離の一元論、自然との共生観など、独自の文化、精神土壌が存在します。至善館では、米国型B-School教育の持つ合理的思考を基軸としながらも、東洋思想や、禅・瞑想をカリキュラムに取り入れることで、西洋とアジアの思想の橋渡しを行い、未来に求められる経営やリーダーシップのあり方を追求します。また、アジア各地のビジネススクールと共同で、インド、日本(京都)、香港・深圳などへのスタディ・トリップを催行し、座学にとどまらない体験機会を学生に提供しています。
